糖尿病の食事療法|日常生活での注意

糖尿病は生活習慣病の代表的な病気で、血糖値が高くなるものです。糖尿病になると身体を動かすエネルギーとなるブドウ糖が細胞に運ばれなくなり、血液の中に溜まってしまうのです。

こうなるといろいろな合併症が出てきてしまいます。こうならないために日頃の食事に気を配らなくてはなりません。

糖尿病

糖尿病とは、血液中のブドウ糖を下げるインスリンの作用不足のために、血液中の糖分が多くなる病気のことを言います。

糖尿病と食事

糖尿病の人は外食にも注意

糖尿病の人が毎日気をつけているのが、食事だと言えるでしょう。仕事などで外食の機会が多い人は、自宅での食事だけでなく、外食での食事の取り方に気をつけなければなりません。何故かといいますと、外食のメニューは一般的にカロリーが高いということから、献立や食べる量に気をつけなければ、カロリー摂取がすぐに多くなってしまうからです。

糖尿病の人は、普段から、どの献立はどのくらいのカロリーになるかを把握しておいて、多すぎると感じたなら、残すことに抵抗する気持ちがあっても、カロリーのことを考慮してやはり残すべきです。例えば、揚げ物なら衣や脂身を残すなどして、カロリー摂取を減らすように気をつけたら良いでしょう。もったいないから、というのは食べ過ぎの元になりますから、禁物です。

外食するなら、和風のセットメニューをお奨めします。この料理だと、栄養バランスが取れており、カロリーも把握しやすいからです。逆に、丼物はご飯が多いですし、ファストフードは栄養が偏っているうえにカロリーが高いので避けた方が無難です。このような一品物よりも、定食などのセットメニューを選ぶ方が栄養バランス的にも良いと言えるでしょう。さらに、目安量がわかりやすいものを選ぶようにしたら良いでしょう。

書店では、ポケット版のメニュー別カロリーや、食品交換表での1単位80キロカロリーはどれくらいか、などが掲載されている本が多く販売されていますので、自分にあった使いやすいものを購入して、常に携帯すれば便利です。最近では、写真付きもあり、判りやすいものがたくさんあるので、簡単に書店で買うことができます。

それでも、外食では、どうしても栄養が偏りがちになるので、そのような時には、自宅での食事で調節するよう心がけると良いでしょう。ですが、できれば、外食をとる場合は、1日1回を限度にと覚えていて下さい。

糖尿病といえども、バランスよく、そして食べすぎなければ、食べてはいけないものがあるわけではないのです。日々、病気や健康を考えながら美味しく食事は頂きたいものです。

糖尿病の人は健康食品に注意が必要

糖尿病の方は、健康食品で「血糖値を下げる」とうたっている商品に関心があると思いますが、しかし、すでに医師の診察を受け、薬を処方してもらっている場合には、血糖値を下げる薬も飲んでいるのですから、こういった健康食品を利用すると、低血糖になる恐れ出てきます。

ですから、安易に健康食品を買わず、まず、健康食品を利用したいときには医師と相談のうえで、利用すると良いでしょう。また、薬を処方されていない場合でも、血糖値を下げる効能のある食品を大量に飲食しては危険ですから、複数の健康食品をむやみやたらと飲用するのは控えて、思わぬ健康被害にあう危険を避けましょう。血糖が正常値の人でも、血糖値を下げる商品を利用するのも危険ですから、安易に健康食品を買うのは控えた方が良いのです。

健康食品は医薬品ではないので、病気を治すものではない、ということを認識しておくべきです。また、何よりも、その健康食品は安全が確認できているのでしょうか。個人輸入やインターネット販売の健康食品で、違法な成分が含まれている商品を購入して健康被害にあった例も報告されていますから、健康食品を購入するときには、慎重になるべきです。

特定健康用食品は、厚生労働省が許可した特定の保健の目的が期待できる食品のことで、食後の血糖の上昇を穏やかにする表示のある商品であっても、やはり、糖尿病の人は事前に医師と相談してくださいと注意書きがあります。

低血糖になると、生あくびが出たり、冷や汗、脱力感などの症状が出ます。そして、さらに低血糖が進むと重い症状になり、昏睡状態に陥ることもありますが、この症状は薬やインスリンを利用している場合でも生じます。

糖尿病の人は、健康食品に頼る食事よりも、毎日の食事を3食、規則正しく栄養バランスに気をつけながら、適度な運動を加えて、生活することが大切なのです。

糖尿病の食事療法で使用される食品交換表1?

糖尿病の食事療法で使用される「食品交換表」では、各表の中で食品を交換して考えても良いのです。
例えば、「表1~主食の仲間」、ここでは、「食パン30グラム」と「ご飯50グラム」を交換することができる、ということです。ただし、食品の交換は、同じ表の仲間の中だけでできようになっているので、「表1」と「表2」の食品の交換はできない、ということを覚えていなければなりません。

毎日の食事については、単位配分の指示をもとに考えなければいけません。
1例として~

  • 主食は、表1のご飯、パン類、麺類から選ぶ。
  • 主菜は、表3の魚・肉・大豆・卵・チーズから選ぶ。これらは、調理方法も煮る、焼くなどして、カロリーを低く抑えるように献立を考えましょう。
  • 副菜は、表6の野菜の仲間(海草、きのこ、こんにゃくを含む)や表3の魚・肉・大豆・卵・チーズを組み合わせて使用する。
  • 牛乳や果物は献立に応じて、3食の中や間食で取るようにする。
  • 塩分量を守るためには、薄味の味付けを心がけること。

1単位はどのくらいの量になるかを実際に測って、調理し、食べてみて、自分の目やお腹で覚えると、単位数を守るための良い経験となるでしょう。また、覚えておくと外食でも、どのくらい食べればいいのか掴めて、外食選びで迷うことが少なくなります。

食事療法の基本として、下記のことが言えます。

  • 腹八分目にして食事は取ること。
  • 食品の種類は、栄養バランスを感がえて、できるだけ多く取ること。
  • 高カロリーな脂肪は控えめでにすること。
  • 食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)を食べるようにすること。
  • 3食を規則正しく、ゆっくり、よく噛んで食べること。

誰でも、最初から完璧に指示通りに食事をとるのは難しいことですから、少しずつ、指示された単位に近づけるように心がけると良いでしょう。上記の基本を守りながら、規則正しく栄養バランスのとれた食事を心がけることで、糖尿病の進行を防ぎ効果がるといえます。

糖尿病の食事療法で使用される食品交換表2?

食事療法で用いられる「食品交換表」では、約500種類の食品を、主に含まれる栄養素によって以下の6つの表に分けていますが、この「食品交換表」は糖尿病の食事療法にも使用されています。

表1 ~ 主食の仲間
表2 ~ くだものの仲間
表3 ~ 魚・肉・大豆・チーズ・卵
表4 ~ 乳製品の仲間(チーズは除く)
表5 ~ 油の仲間
表6 ~ 野菜の仲間(海草、きのこ、こんにゃくを含む)

普段食べる食品がどのグループに属するのかを知っておくと、栄養バランスの取れた食事を取る手助けとなりますから、是非知っておきたいものです。

食品交換表の中では、基本的に、「80キロカロリー=1単位」として計算しています。
上記の「6表」とさらに「調味料・塩分」の値も加わってきます。

専門医師より、糖尿病患者の身長、体重、年齢、性別や仕事内容などを考慮して、その人の一日必要なエネルギー摂取量を指示されますから、各表の中で配分しながら献立を決めて食事を取るようにしましょう。

例えば、ご飯50グラムが1単位(80キロカロリー)となります。

1日の指示単位(指示エネルギー)の配分例 1600キロカロリーの場合で考えてみますと、

表1 ~ 主食の仲間 = 11単位(880キロカロリー) (朝3 昼4 夕4)
表2 ~ くだものの仲間 =  1単位(80キロカロリー)
表3 ~ 魚・肉・大豆・チーズ・卵 =  4 単位(320キロカロリー) (朝1 昼1 夕2)
表4 ~ 乳製品の仲間(チーズは除く) =  1.5単位(120キロカロリー)
表5 ~ 油の仲間 =  1 単位 (80キロカロリー)
表6 ~ 野菜の仲間 = 1単位 (80キロカロリー)(朝0.3 昼0.3 夕0.4)
・調味料 = 0.5単位 (40キロカロリー)
・塩分 7g以下
以上で、合計20単位(1600キロカロリー)となります。

一日のエネルギー摂取量の目安は、「標準体重×身体活動量」という計算の方法です。
・標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
・標準体重1kgあたりの身体活動量の目安は
軽労作(デスクワークの人や主婦) 25~30キロカロリー
立ち仕事の多い職業の人     30~35キロカロリー
力仕事の多い職業の人      35キロカロリー以上

これらの数値は、あくまで目安ですので、専門医師の指示に従うことが大事です。

このように、毎日の食事のなかで気をつけて栄養を取ることは、糖尿病の進行を防ぐ大切な役割をすると言えることでしょう。

糖尿病と生活

糖尿病の人の旅行での注意

糖尿病であっても、もちろん旅行を楽しめます。合併症などで安静にしていないといけない、という場合でなければ、出来ることなのです。この旅行は、糖尿病の人にとって、運動をする良い機会とも言えるのですが、ただし、注意しなければいけないことももちろんあります。

忘れてはいけないのが、インスリンや薬です。これらは、飛行機に乗る場合は、必ず携帯して手荷物として持ち込むことが必要です。また、旅行中は歩くことも多く、運動量が増えるので、低血糖になった時のためのブドウ糖も忘れずに携帯しておくと良いでしょう。さらに、旅行に行くまえに、糖尿病であるという説明書を医師に依頼して作成してもらいましょう。そうすれば、同行の人に、自分が糖尿病であることを伝えやすく、また伝えておくことは、大事なことだと言えるからです。

ただし、旅行中の食事は不規則になりがちなので、バランスよく食べ過ぎないように、普段以上に心がけることも大事です。特に団体旅行では、同じ料理を出されるので、このときには特に注意して食事を取らないといけません。

旅行先の宿を予約する際には、料理の内容・種類についても可能な限り、お願いしておけば安心して旅行ができます。最近では、生活習慣病の人や高齢者やアレルギー患者に配慮した、減塩食や糖尿病食、さらにアレルギー源を使わない料理を出してくれる宿も多くなってきていますから、そのような宿を探して利用するのも良いでしょう。

また、糖尿病の人や糖尿病に関心のある人を対象とした医師同行のツアーもありますし、機内食は前もって申し出ておけば、糖尿病食で対応してくれるところもありますから、事前に調べておくと良いでしょう。このように、糖尿病に対応してくれる宿やサービスはたくさんありますから、普段から旅行を想定して情報を集めておくと役にたちます。

旅行では、無理のない、余裕のあるスケジュールを組み立てるようにして、楽しく過ごしたいものです。

糖尿病は運動療法も大切

糖尿病の治療の基本となるのは、食事と運動の両方と言えるでしょう。運動をするための筋肉を動かすエネルギーには、ブドウ糖(血糖)が必要です。ということは、運動することで、血液中の余ったブドウ糖が、筋肉の細胞内に取り込まれて、その結果、血糖値が下がる、ということなのです。ですから、運動はインスリンの働きが悪い糖尿病の人には大切なことだと言えるます。また、運動療法では、脂肪利用による体重の減少・ストレス解消・体力の増強ということで、健康な体づくりの効果も得られます。

食事の後1時間~1時間半で血糖値はピークを迎えますから、この時に運動を開始すると血糖を抑えることができます。この時にする運動は、ウォーキングやジョギング、水泳などで有名な「有酸素運動」が良いでしょう。

さて、運動療法による、血糖に対する効果は約48時間と言われていまが、その運動量の目安は1日150キロカロリーとなっています。ウォーキングなら30~40分、軽いジョギングだと20分くらいが目安となります。体調の悪いときなどは無理しないようにして、毎日できなくても良いですから、週3とか、1日おきと、自分できる範囲から始めると良いです。

また、こまめに運動するには、通勤や買い物などの途中で、歩く時間を作るなどすると効果的ですし、掃除や階段を歩くなど、日常の動きも運動につながりますから、このように生活リズムのなかで簡単な運動を組み込むのも良い方法と言えます。

ただし、血糖値が極端に悪い時や、高血圧などの場合には、運動によって合併症を起こす場合もありますから、この運動療法は、かかりつけの医師と相談の上、適切に行うことが望ましいです。ただ、運動だけでは完全に血糖のコントロールはできませんから、規則正しい食事を取ったうえで、運動を続けることにより、上手に血糖値をコントロールができる、と言えるのです。

糖尿病では低血糖に気をつける

医師により、糖尿病用の薬やインスリンを処方されている場合、その薬やインスリンには血糖値を調整する作用があるため、時々、低血糖になる場合があります。何故そのようなことが起こるのかといいますと、人間の体の必要としているインスリンの量は常に一定してはおらず、その時の体の状態に応じて変わりため、低血糖になったりするわけです。この低血糖の症状には、特にインスリン注射をしている人は注意してください。

低血糖の症状は、主に、冷や汗、体のふるえ、吐き気などが挙げられます。さらに血糖値が下がると、めまいや疲労感、取り乱すなどの症状が起こり、最後には意識障害を起こして昏睡、という状態になる場合があります。このような低血糖の症状が起こったら、ブドウ糖や糖分の入ったジュースを飲むと良いでしょう。また、いつ低血糖が起こるかわからないので、ブドウ糖などは常に携帯しておくと安心できます。

ブドウ糖などが手元にないときには、氷砂糖や飴などで代用はできますが、効果としては、ブドウ糖やジュースの方が吸収が早いので効果的です。このブトウ糖は病院でも、市販でも入手できますから、いつも手元に置いておくと良いでしょう。

もし、低血糖の症状がよくならない場合は、すぐに救急車を呼ぶなどして、病院に行くべきです。また、このような状態になった場合にすぐに処置ができる環境にしておくことも大事なので、家族だけでなく、友人や職場の人にも、自分が糖尿病であることを知っておいてもらうことも大事だと言えるでしょう。

いつ起こるかわからない低血糖を防ぐには、規則正しい食事を心がけ、インスリンのバランスを崩さないように気をつけることです。また、低血糖を恐れるあまり、食事を取りすぎると糖尿病を悪化させてしまいますから、糖尿病と低血糖どちらも、毎日の食生活に気をつけていくことで、防げる病気と言えるでしょう。

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