肝臓の病気種類と原因

肝臓は,体にある臓器の中で最も大きな臓器で、お腹の右上に位置し、常に送られている心臓からの血液を常にたっぷりと含んでいるスポンジのような状態です。 別名「沈黙の臓器」ともいわれ、簡単に音を上げない非常に我慢強い臓器です。
病気でダメージを受けたり、手術で一部を切除した場合でも比較的短時間で回復する強い再生能力を有しています。

肝臓の病気

肝臓の役割は、数百にも及びますが、代表的なものは、
・腸で吸収された栄養素の代謝や合成
・胆汁の生成と分泌
・アルコールや有害物質などの解毒や体内からの不要物質などの排出
「沈黙の臓器」だけに、何か異常を感じたときには、早めの対応を心がけましょう。

肝臓の病気種類一覧:

概要

アミロイド肝

アミロイド肝・・・どんな病気? 原因ってなに?

アミロイドと呼ばれる異常な線維たんぱくが、肝臓に沈着することにより肝障害が生じる病気です。
心臓、腎臓、脳、消化管などどこかに限定して沈着するもの(限局性)と、全身に沈着するもの(全身性アミロイドーシス)があり、通常は全身性アミロイドーシスの一部分症として発症します。
アミロイドが沈着した肝臓を、アミロイド肝といいます。
原因は、多発性骨髄腫、慢性の化膿性疾患、膠原病、結核、梅毒、がんに合併するもの、遺伝性のもの、原因不明のものなどがありますが、くわしいことはわかっていません。

アミロイド肝の特徴やその症状は・・・

肝腫大をおこすことが多いのですが、ほとんど無症状です。
全身性アミロイドーシスでは、倦怠感、浮腫、たんぱく尿、貧血、低たんぱく血症、巨舌、黄疸、腹水、嘔吐、下痢、血便などがみられ、重症になると、心不全、肺不全、腎不全などを併発します。

アミロイド肝の治療や薬は・・・・

原因となる基礎疾患を治療することが原則です。
アミロイドは溶けにくい性質であり、いったん沈着したアミロイドを除去することは非常に困難です。
ただ、ディメチルスルホキシドという薬剤は、アミロイドを溶解する可能性が示唆されていて、内服や皮膚外用塗布として用いられています。
ほかに、末梢血幹細胞移植を用いた大量化学療法の有効性が報告されています。

アルコール性肝障害

アルコール性肝障害・・・どんな病気? 原因ってなに?

長期間多くのアルコールを摂取し続けたためにおこる肝臓の障害です。
アルコール性肝障害はアルコール性脂肪肝、アルコール性肝線維症、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変の4つに分けられます。
アルコール性脂肪肝は、肝臓で脂肪の代謝が障害されて、肝臓に中性脂肪がたまります。
アルコール性肝線維症は、肝臓の中心静脈や肝細胞の周囲に線維化が進んだ状態です。
アルコール性肝炎は、アルコール性脂肪肝やアルコール性肝線維症の状態で飲酒を続けていると、肝細胞が風船状に肥大化したり、炎症や壊死をおこしており入院しなければなりません。
アルコール性肝硬変は、末期段階で肝機能が低下しており、5年生存率50%といわれています。

アルコール性肝障害の特徴やその症状は・・・

アルコール性脂肪肝は、無症状の場合が多く、まれに右上腹部違和感や鈍痛がみられます。
アルコール性肝線維症は、無症状の場合が多く、まれに倦怠感がみられることもあります。
アルコール性肝炎は、全身倦怠感、食欲不振、黄疸、肝臓の腫れ、発熱、嘔吐、下痢などです。
アルコール性肝硬変は、全身倦怠感、むくみ、黄疸、腹水、吐血、手掌紅斑、蜘蛛状血管腫、女性化乳房、肝腫大などです。

アルコール性肝障害の治療や薬は・・・・

まずは禁酒することで、アルコール性脂肪肝などの軽症の場合は改善します。
アルコール性肝炎まで進行すると、禁酒のうえ安静にして点滴などで改善に取り組みますが、悪化している場合は、副腎皮質ホルモン剤を使用、血漿交換法、血液透析濾過療法、白血球除去療法などを組み合わせた治療が必要になることがあります。
アルコール性肝硬変は、合併症に気をつけて対症療法をおこなっていきます。

ウィルソン病

ウィルソン病・・・どんな病気? 原因ってなに?

体内の微量金属である銅が肝細胞などに異常に沈着する代謝疾患です。
13番染色体の遺伝子異常があり、肝細胞で銅はアポセルロプラスミンと結合して、セルロプラスミンとなって胆汁中や血液中に排泄されますが、このたんぱく質との合成障害が原因です。
肝臓以外に、脳、腎臓、角膜などにも沈着して、それぞれの器官に障害があらわれます。
発症はすべての年齢にみられますが、10~20歳と50~60歳にピークがあります。

ウィルソン病の特徴やその症状は・・・

肝障害、動作や言語の緩慢、構語障害、不随意運動、運動失調、振戦、不安定、無気力、うつ状態、カイゼル・フライシェル角膜輪など多彩ですが、症状には、肝型、神経型、混合型があります。
肝型は肝障害、神経型は中枢神経症状、混合型は肝障害と神経症状があらわれます。
肝型は子供に多くみられ、徐々に進行し、思春期すぎには肝硬変になる場合が多くみられます。

ウィルソン病の治療や薬は・・・・

治療にはペニシラミンなどの銅と結合する薬を服用します。
尿中に銅の排泄を促すキレート薬を内服します。
銅の含有量が多いチョコレート、貝類、レバー、海藻類などを摂ることを控えます。

うっ血肝

うっ血肝・・・どんな病気? 原因ってなに?

心臓への血液のもどりが悪くなって、肝臓に血液がうっ滞して、肝臓の組織に障害がおこります。
急性心筋梗塞、急性心不全、心臓弁膜症、慢性心不全などの疾患があるとおこる肝障害です。
原因は、心臓のポンプ作用が低下することで、全身の循環血液量とともに肝臓の循環血液量も減少し、肝臓への酸素供給も低下してしまいます。
肝臓はうっ血による腫大と低酸素血症がおこり、肝細胞は障害を受けます。

うっ血肝の特徴やその症状は・・・

全身のむくみ、頸静脈の怒張、呼吸困難、肝臓が腫大、肝機能障害、右季肋部痛、黄疸、腹水、心肥大、頻脈、チアノーゼ、うっ血性肝硬変、肝不全などがみられます。
急性心不全では急激に肝臓が腫れて痛み、慢性心不全ではうっ血が長期間つづいてしまうことでうっ血性肝硬変まで進行することがあります。
心筋梗塞や肺梗塞による急性うっ血は、肝細胞の急激な酸素不足で急性肝障害をおこします。

うっ血肝の治療や薬は・・・・

原因となる心臓疾患に対する治療をおこない、肝細胞を保護するための肝臓の庇護療法がおこなわれます。
また、食事の減塩指導および強心薬や利尿薬などの投与がおこなわれます。

肝硬変

肝硬変・・・どんな病気? 原因ってなに?

慢性の肝障害が長期間続いていった結果、壊れた肝細胞にかわり線維ができていき、肝臓が固くなっていくことです。
肝臓全体に再生結節と呼ばれるごつごつとした、5~20mmの肝細胞のかたまりができます。
このような変化によって肝臓の血液循環障害がおこり、肝細胞は酸素と栄養不足から壊死し、そして、肝細胞の再生、線維の増加がくり返されていきます。
肝組織は再生能力の非常に強い組織ですが、ある程度以上肝臓の線維化が進行すると、もとにもどらなくなってしまいます。
原因は、C型肝炎ウイルスによるものが70~80%で、ほかに、B型肝炎ウイルス、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎などによるものがあります。

肝硬変の特徴やその症状は・・・

肝臓は肝硬変になって、線維化がある程度進行するまで無症状であることが多く、あっても気がつかない程度の全身倦怠感ぐらいで、この時期を代償期といいます。
さらに進行して非代償期に入ると、黄疸、腹水、出血傾向、肝性脳症、浮腫、脾腫、消化管の静脈瘤、手掌紅斑、クモ状血管腫、性欲減退、女性化乳房、月経不順などがみられます。

肝硬変の治療や薬は・・・・

現在のところ肝硬変の根治治療はなく、進行を遅らせたり、合併症予防が主体となります。
とくに、生活習慣の改善が大切で、バランスのよい食事、適正カロリー、肥満を防止、禁酒、適度な運動などをつづけていきます。

肝膿瘍

肝膿瘍・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝臓内に病原菌が感染して膿がたまる病気で、細菌に感染した化膿性肝膿瘍と、赤痢アメーバ原虫に感染したアメーバ性肝膿瘍があります。
化膿性肝膿瘍の原因は、胆石、総胆管がん、胆嚢炎にともない胆道を通って感染したり、虫垂炎、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎にともない門脈を通って感染したりします。
ほかにも、大腸がん、クローン病、敗血症、外傷、原因不明なものなどがあります。
アメーバ性肝膿瘍は、大腸内の赤痢アメーバ原虫が血流にのって肝臓に運ばれ感染します。
アメーバ性の多くは、東南アジアや衛生状態の悪い地域に行って、食物や飲料水から赤痢アメーバに感染して大腸炎をおこしたためで、海外での生水などには注意が必要です。

肝膿瘍の特徴やその症状は・・・

発熱、右上腹部痛、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、貧血、黄疸、肝腫大などがみられます。
アメーバ性肝膿瘍では、同様の症状のほかに血性下痢がみられます。

肝膿瘍の治療や薬は・・・・

化膿性肝膿瘍に対しては抗生物質を、アメーバ性肝膿瘍に対しては抗原虫薬を投与します。
膿瘍が大きい場合には、超音波画像による穿刺排膿や開腹手術による排膿がおこなわれます。

肝良性腫瘍

肝良性腫瘍・・・どんな病気? 原因ってなに?

代表的なものは、肝血管腫、肝細胞腺腫、限局性結節性過形成、腺腫様過形成、肝嚢胞などがあり、肝血管腫は最も頻度が高く、女性に多く見られる海綿状血管腫です。
肝細胞腺腫は日本ではまれで、欧米では大半が経口避妊薬を服用する若い女性に発症します。
限局性結節性過形成は日本ではまれで、欧米では女性に多く、線維性瘢痕が特徴です。
腺腫様過形成は前がん状態の腫瘍ですので、厳重に経過観察する必要があります。
肝嚢胞は肝臓内に液体のたまった袋ができますが、先天性と後天性があります。

肝良性腫瘍の特徴やその症状は・・・

ほとんどが無症候性ですが、肝腫大、右上腹部の不快感、腹腔内出血をおこすことがあります。
肝血管腫は無症状ですが、腹痛、増大する、血液凝固異常があれば治療対象になります。
肝細胞腺腫は将来がん化や自然破裂することがあるので、治療することもあります。
限局性結節性過形成はがん化しないと考えられており、経過観察していきます。
腺腫様過形成は増大したり、進行して血流が門脈優位から動脈優位になったら治療をします。
肝嚢胞は症状がなければ経過観察しますが、腹部膨満感や破裂の恐れがあれば治療をします。

肝良性腫瘍の治療や薬は・・・・

がん化のおそれがあるものや、症状がみられるものについては治療をおこない、それ以外は経過観察していきます。

急性肝炎

急性肝炎・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝臓に異常がない人が、何らかの原因で炎症がおこり、広範囲にわたって肝細胞が壊れるものですが、1~2ヶ月で治ってしまうものを急性肝炎といいます。
原因は、ほとんどが肝炎ウイルスの感染で、肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型、G型、TT型があることがわかってきましたが、G型とTT型についてはくわしいことはわかっていません。
A型とE型は経口感染で食物や飲料水が感染源になり、B型、C型、D型は血液や体液を介し感染しますが、D型はB型と同時感染するか、B型の感染者にD型が感染しないと発症しません。
D型やE型は、日本ではほとんどみられないものです。

急性肝炎の特徴やその症状は・・・

風邪ような症状ではじまり、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、下痢、食欲不振、全身倦怠感、易疲労感、黄疸、皮膚掻痒感、右わき腹の鈍痛、上腹部不快感などがみられます。
C型は目立った症状もなく、感染後20~30年かけて徐々に進行し、肝硬変や肝臓がんを発症することがあります。

急性肝炎の治療や薬は・・・・

A型とB型のウイルス性肝炎、ウイルス以外の急性肝炎の場合には、1~2ヶ月で自然治癒しますので、特に治療の必要はなく、安静にして栄養豊富でバランスのとれた食事をとります。
食欲不振の場合は、ぶどう糖やビタミン剤の点滴で栄養補給をおこないます。
C型ウイルス性肝炎の場合は、ほかの肝炎に比べて症状が軽いことが多く、通院治療でウイルスの排除治療をおこないますが、治癒できずに慢性化した場合には、インターフェロンと抗ウイルス薬を併用して治療します。

劇症肝炎

劇症肝炎・・・どんな病気? 原因ってなに?

急性肝炎の中でもきわめてまれですが、肝細胞の破壊が急激に、しかも広範囲にわたって進み、高度の肝障害をきたすものです。
発症してから肝性脳症があらわれるまでの期間が、10日以内の場合を急性型劇症肝炎、11日以降の場合を亜急性型劇症肝炎に分けられますが、予後は急性型の方が良好です。
原因は肝炎ウイルスの感染、薬剤性肝障害、自己免疫性肝炎などで、B型肝炎ウイルスによるものが最も多く、全体の約40%を占めていますが、原因不明のものも増えてきています。
ただ、急性肝炎と原因が同じなのにもかかわらず、なぜ一部の人で重症化して劇症肝炎になるのかは、まだわかっていません。

劇症肝炎の特徴やその症状は・・・

発熱、筋肉痛、全身のだるさ、食欲不振、黄疸などがみられ、進行して肝性脳症があらわれます。
肝性脳症の症状は、意識障害をはじめとする脳の機能低下で、さまざまな状態がみられます。
気分が変化、異常行動、せん妄、見当識障害、言語障害、眠気、錯乱、不随意運動、ミオクローヌス、固定姿勢保持困難、羽ばたき振戦などがみられ、やがて昏睡状態に陥ります。

劇症肝炎の治療や薬は・・・・

まずは、肝臓の働きを補うための人工肝補助療法(血漿交換法と血液透析濾過療法)をおこなって、身体に必要な物質を補充し、老廃物を取り除きます。
ほかに、ステロイド療法、抗ウイルス療法、抗凝固療法などがあります。
肝臓の機能が回復しない場合には、肝臓移植をおこなうことになります。

原発性胆汁性肝硬変

原発性胆汁性肝硬変・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝臓内にある胆管に慢性の炎症がおこって破壊されたために、胆汁の流れが悪くなり、長期間の経過で進行して肝硬変にいたる病気です。
ほとんどが中年以降の女性で、健康診断などで肝機能異常を診断されて見つかっています。
原因は不明ですが、本来自分の身を守るための自己免疫が、自身の肝臓内の胆管を攻撃して炎症をおこさせたと考えられています。
親族内に同じ発症例があり、遺伝的要因は何らかの形で関与していると考えられています。

原発性胆汁性肝硬変の特徴やその症状は・・・

皮膚掻痒感、全身倦怠感、黄疸、発熱などの症状がみられるものと、無症状のものがあります。
肝硬変に進行すると、腹水、食道静脈瘤、浮腫、肝性脳症などがみられるようになります。
シェーグレン症候群、関節リウマチ、慢性甲状腺炎などを合併することがあります。

原発性胆汁性肝硬変の治療や薬は・・・・

薬物療法として、ウルソデオキシコ-ル酸やベザフィブラ-トが使用されます。
かゆみには、抗ヒスタミン剤やコレスチラミン顆粒が使用されます。
長期間の胆汁の停滞によって、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)やカルシウムの吸収が悪くなることがあり,これらの補給が必要になることがあります。
肝不全に進行すると、肝臓移植を考えることになります。

脂肪肝

脂肪肝・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝細胞に中性脂肪(トリグリセリド)が蓄積して肥大した状態で、医学的には肝臓内の肝細胞の30%以上に脂肪空胞が認められる状態を脂肪肝といっています。
健康診断の際の血液検査などによる偶然の発見が、もっとも多いといわれています。
原因はアルコール性、肥満、糖尿病、薬剤性、急性妊娠性、高カロリー輸液などがあります。
非アルコール性の脂肪肝が増えており、その原因は食生活のバランスが悪かったり、極端なダイエットなどでもおこりますが、怖いのは進行した場合で、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と呼ばれる病気の可能性があることです。

脂肪肝の特徴やその症状は・・・

脂肪肝は、ほとんど自覚症状がないのがふつうですが、脂肪肝が進行した場合は、疲れやすい、体がだるい、食欲がないといった肝臓病の一般的症状があらわれることがあります。
放置しておくと動脈硬化や高血圧になりやすく、肝炎や肝硬変以外にも肥満、高脂血症、痛風、心臓病、脳梗塞、痴呆、心筋梗塞などのリスクが高くなります。

脂肪肝の治療や薬は・・・・

原因を取り除くことで回復できる病気でもあり、アルコールが原因であれば、禁酒をおこないます。
肥満や糖尿病などには、食習慣の改善と適度な運動をおこないます。
原因となった薬剤は中止します。

自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎・・・どんな病気? 原因ってなに?

原因は不明ですが、本来自分の身を守るための自己免疫が、自身の肝臓の細胞を攻撃して炎症をおこしたもので、好発年齢は40~50歳で、女性に多くみられます。
症状はみられずに健康診断で発見される人や急性肝炎から発症する人などがいます。
慢性肝炎へと進行し、10年くらいで肝硬変になります。
この病気の特徴は、抗核抗体、抗平滑筋抗体、肝腎マイクロゾーム抗体などの自己抗体と呼ばれるものが陽性になることです。
遺伝的素因のある人にウイルスや薬剤による肝障害がおきて、それが引き金となり、自己肝に対する免疫反応が引きおこされたのではないかとも考えられています。

自己免疫性肝炎の特徴やその症状は・・・

急性肝炎や慢性肝炎のときにおこった急性憎悪では、全身倦怠感、黄疸、食欲不振、むくみ、発熱、皮膚の発疹、関節痛などがみられます。
肝硬変に進行すると、食道静脈瘤、腹水などがあらわれ、膠原病、慢性甲状腺炎、関節リウマチなどを合併することがあります。

自己免疫性肝炎の治療や薬は・・・・

免疫抑制作用がある副腎皮質ステロイドが良好な治療効果を示しますが、再燃することが多いので薬剤を中止せずにつづけていきます。
ただし、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍などの副作用に充分注意しながら服用していきます。

バッド・キアリ症候群

バッド・キアリ症候群・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝静脈か、あるいは肝部下大静脈の狭窄や閉塞によって、肝臓から出る血液の流れが悪くなり、門脈の圧が上昇し、門脈圧亢進症などの症状があらわれる疾患をいいます。
原因不明なものを一次性バッド・キアリ症候群、原因がわかっているものを二次性バッド・キアリ症候群といいます。
先天的な血管形成異常や血液凝固因子活性異常が関与している可能性が考えられています。
二次性は、肝がん、転移性肝腫瘍、腹部外傷、うっ血性心不全、経口避妊薬の使用などです。

バッド・キアリ症候群の特徴やその症状は・・・

急性型は、腹痛、吐血、急速な肝臓腫大や腹水で発症し、1~4週間で肝不全により死亡することもある重篤な疾患ですが、約80%は慢性型で徐々に進行します。
慢性型は、食道胃静脈瘤、腹水、脾腫、貧血、出血傾向、肝機能障害などが徐々におこります。

バッド・キアリ症候群の治療や薬は・・・・

狭窄や閉塞に対して、狭窄部のバルーンカテーテルによる狭窄部拡張術、カテーテルによる開通術、狭窄や閉塞を直接解除するような手術などを選択します。
静脈に狭窄があり、閉塞はしていない場合は、抗凝固薬や血栓溶解薬を使用します。
食道胃静脈瘤があれば、破裂を予防する硬化療法や結紮療法をおこないます。

ヘモクロマトーシス

ヘモクロマトーシス・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝臓、脳、心臓、膵臓、皮膚、関節などの諸臓器の実質細胞に鉄が過剰に沈着し、それぞれの臓器の機能障害をもたらす病気です。
先天性なものと後天性なものがあり、先天性は6番染色体の遺伝子異常のため、消化管からの鉄吸収が増加したり、血液中では鉄が鉄移送たんぱくのトランスフェリンと結合できなくなり、鉄の過剰状態がおこるとされています。
後天性は鉄分の過剰摂取、大量輸血、透析時の溶血、赤ワインの多飲などでおこります。
好発年齢は50歳前後で、鉄が失われやすい女性には少なく、ほとんどが男性におこります。

ヘモクロマトーシスの特徴やその症状は・・・

易疲労感、全身倦怠感、脱力感、腹痛、肝硬変、糖尿病、皮膚の色素沈着、うっ血性心不全、不整脈、関節炎、肝腫大、脾腫、拡張型心筋症、性欲減退、陰毛や体毛の脱落、無月経、睾丸萎縮、甲状腺機能低下症などがみられます。

ヘモクロマトーシスの治療や薬は・・・・

体内から鉄分を除去する治療で、週に1~2回瀉血(1回300~500mlの血液を抜く)をおこない、鉄を排泄させる鉄キレート薬を注射します。
トランスフェリン飽和度を30%未満に維持するため,瀉血は続けていく必要があります。
それとともに、各臓器障害の治療をおこないます。

慢性肝炎

慢性肝炎・・・どんな病気? 原因ってなに?

肝臓の炎症が持続的に6ヶ月以上続く状態をいい、ウイルスに感染した肝細胞に対してリンパ球などが入り込んで破壊するために、炎症がおこります。
このような状態が長く続いていきますと、肝細胞はどんどん破壊されていき、肝細胞の数も減少して、さらに肝臓の線維化が進み、肝硬変へと移行することがあります。
原因はB型とC型ウイルス性肝炎がもっとも多く、ほかに、アルコール性慢性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、一部の薬剤性肝障害、自己免疫性肝炎などがあります。

慢性肝炎の特徴やその症状は・・・

無症状な場合が多くみられますが、中には易疲労感や倦怠感を感じる人もみられます。
重症になると、血中のビリルビンが上昇して、黄疸がみられることがあります。

慢性肝炎の治療や薬は・・・・

B型慢性肝炎は、35歳以下であればインターフェロンで治療を、35歳以上であれば抗ウイルス薬のエンテカビル水和物を服用します。
C型慢性肝炎は、インターフェロンの注射とリバビリンを服用します。
アルコール性慢性肝炎は禁酒をおこない、非アルコール性脂肪肝炎は減量をおこないますが、中性脂肪を代謝させる作用がある薬を使用することもあります。
自己免疫性肝炎は副腎皮質ホルモン(ステロイド)を使用します。

薬剤性肝障害

薬剤性肝障害・・・どんな病気? 原因ってなに?

薬物が原因となる肝障害のことであり、体内に取り込まれた薬物が肝臓での代謝をおこなうことでおこり、中毒性肝障害と過敏性肝障害があります。
中毒性肝障害は、薬物が直接的にあるいはその代謝産物が肝障害をおこすことです。
過敏性肝障害は、体質の関係で薬物に対して過剰な反応を示し、肝障害をおこすことです。
肝臓は物質の代謝や解毒をおこなうため、一度にたくさんの量が取り込まれたりすると、肝細胞が破壊されること(中毒性肝障害)があります。
薬物そのものは抗原性はほとんどありませんが、特定の人には血中たんぱく質と結合して、抗原性を得てアレルギー反応をおこし、肝細胞に障害を与えること(過敏性肝障害)があります。
アレルギーをおこしやすものに、抗菌薬、解熱鎮痛薬、抗不整脈薬などがあります。

薬剤性肝障害の特徴やその症状は・・・

発熱、発疹、皮膚掻痒感、全身倦怠感、吐き気、食欲不振、黄疸などがみられます。
また、症状がなくて、血液検査で偶然発見されることも多くみられます。

薬剤性肝障害の治療や薬は・・・・

原因薬剤を中止することで症状は改善します。
黄疸の症状が強ければ、ウルソデオキシコール酸や副腎皮質ホルモン剤を使用します。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする