子宮頸がんは、女性に多く見られるがんの中で最も発症率の高いがんとして知られています。腟から子宮頸部にあたる子宮外口にできるがんになりますが、がんができる原因としては主に「ヒトパピローマウイルス」と呼ばれるウイルスの感染が挙げられます。
ヒトパピローマウイルス、通称「HPV」というウイルスは性交によって感染することがほとんどとなっています。
特に避妊をせずに性交を行うこと、不特定の複数人と性交を行うことはヒトパピローマウイルスに感染する確率を一気に高めることになります。
そしてヒトパピローマウイルスに感染することにより、子宮頸がんを発症してしまうことになるのです。
近年、若年層の子宮頸がん患者が増加傾向にあるのは、こうした性交に対する意識の低さや注意力の低さも関係しています。
初めて性交を経験する年齢も低くなっていますし、性に対しての意識が十分でないまま性交を経験してしまう場合も少なくありません。
このようなことからヒトパピローマウイルスの感染、子宮頸がんの発症という結果が現れ出てしまうので、子宮頸がんの危険性は若年層にも十分に考えられるということをよく理解しておく必要があります。
もちろん子宮頸がんは、初期段階の軽度の症状であれば治療することが可能ですし、場合によってはウイルスが自然消滅してしまうことから子宮頸がんを発症しないこともあります。
ヒトパピローマウイルスに感染しても子宮頸がんを発症せず、異形成の状態から正常に戻っていく場合も実際の症例として多く見られています。
しかし、子宮頸がんは初期症状が非常にわかりにくいことから、体が発しているサインになかなか気が付かないこともあるので、自分でも知らない間に子宮頸がんの症状が進行してしまっている場合も考えられます。
手術ができる程度の進行度合いであれば、治癒率も高く、手術によって症状を改善していくことができるのですが、末期がん状態にまで進行してしまうと手術による治療はできなくなります。
この場合は放射線療法、化学療法、免疫療法などによって治療を行いますが、子宮頸がんは症状が進行すると他の部位に転移することが考えられます。
特に多く見られているのが卵巣やリンパ節への転移とされ、転移を防ぐために手術できる段階では卵巣やリンパ節も除去してしまう場合もあります。
また、末期状態になると肺や肝臓などの臓器、骨などにまで転移することも考えられます。
このように、症状が進行した子宮頸がんによって転移が繰り返されることもありますから、できるだけ早く子宮頸がんを発見することが重要となっています。
今現在は問題がなかったとしても、前もって予防しておくことが子宮頸がんの早期発見には大切なことなので、定期的に検査を受けることをおすすめします。また少しでも体調に変化が見られたら婦人科を受診するようにしましょう。