未熟児網膜症はこんな病気
未熟児の網膜に異常が起こる病気です。
未熟児で生まれた赤ちゃんがなりやすい、網膜に異常が生じる病変です。赤ちゃんの網膜にある血管が、母体外の環境に敏感に反応して異常が起こります。
未熟児網膜症の病気の原因
網膜の血管が未熟なために起こります。
網膜の血管は妊娠15週頃から36週にかけて、視神経から伸びていきます。早産の場合、まだ血管が網膜の隅々まで行き渡らない状態で生まれてしまいます。この未成熟な血管は、母体外ではとても不安定でさまざまな病変を起こしてしまいます。
網膜症を発症すると末梢血管が収縮したり、もろくて破れやすい血管が生じたりします。しかし、早い時期に治療を受けると失明に至るような障害を残さずに回復します。
現状では、未熟児を扱う病院には血液中の酸素量などを測るガスモニタリングなどの全身管理が行われ網膜症等は起こりにくくなってきています。しかし、網膜症を起こした赤ちゃんのうち5%くらいは、急激に病状が進んで網膜が剥離し失明する、ラッシュ型といわれるタイプのものもあります。
生後2~3週間ぐらいから定期的に眼底検査を行い、網膜症が起こっているか、進行の程度などを調べる必要性があります。
未熟児網膜症の治療方法
光凝固や冷凍凝固などの治療法で網膜剥離を止めます。
網膜が剥離する可能性がある場合は、光凝固や冷凍凝固といった治療を行い剥離が進むのを防ぎます。
軽度の網膜症であったとしても、強度の近視、乱視、斜視などになることもあり、放っておくと弱視になります。
■ 光凝固法
レーザー光を照射すると生じる熱を利用して、眼底の病変部分の組織を破壊したり、血管を固めて出血を止めたりして病変が進行するのを防ぐ治療法です。
■ 冷凍凝固法
液体窒素や笑気ガスなどの凍結剤冷却した金属の棒を使用して、眼球の外側より患部を凍結させて病変の進行を防ぐ治療法です。