子宮頸がんは女性の多くに見られているがん一つです。腟から子宮頸部にあたる子宮外口にできるこのがんは、ほとんどの場合「ヒトパピローマウイルス(HPV)」と呼ばれるウイルスに感染することが原因で発症すると言われています。
ヒトパピローマウイルスはセックスなどで感染するウイルスで、感染することによって子宮頸がんを発症する恐れが高まります。
セックスをする時に避妊をしない、複数の人と性的な関係を持つなどした場合には特にウイルスの感染率が上がるので、セックスをする相手にも十分注意することも子宮頸がんを予防するためには重要です。
そして最近では、子宮頸がんの予防に効果があるとされるワクチンの接種ができるようにもなりました。子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスに感染することを防ぐためのワクチンで、各婦人科で接種することができます。
また、各自治体では中学生や高校生などの若い世代を対象とした助成も行われ、対象となる中学生や高校生の場合は無料でワクチンの接種ができるようになっています。
子宮頸がんの予防ワクチンは、10年先のがん発症を予防することを目的としているため、若い世代のワクチン接種については助成が行われているのです。子宮頸がん予防ワクチンの助成については、各自治体や各市町村のホームページで確認してみましょう。
しかし、このような子宮頸がんの予防ワクチンが接種できるようになったのはごく最近のことなので、まだどのようなワクチンなのか詳しく知られていない部分もあります。
例えば、子宮頸がんの予防ワクチンには副作用などはあるものなのでしょうか。ワクチンを接種するにあたって健康に関わる安全性はしっかり確認しておきたいところですので、ここではワクチンの安全性について見ておくことにしましょう。
まず子宮頸がんの予防ワクチンを接種することによって起こりうる副作用についてですが、場合によっては様々な症状が現れると言われています。
ワクチンを接種した人の体質や持病などによって異なりますが、頭痛、腹痛、発熱、吐き気、下痢といった症状が見られたという症例があるので、ワクチンを接種する際には十分注意しておきましょう。
また、持病がある場合はさらに注意が必要となります。以前、持病がある14歳の少女が子宮頸がんのワクチンを接種後に死亡したという症例がありました。
日本でも2011年に同じような症例が見られましたが、どちらの場合もワクチン接種と死亡には直接的な関連性は見られないとされています。
しかし、このような症例から、持病がある場合はワクチンの接種を早める必要はない、という声もあるため、持病がある中学生や高校生についてはかかりつけの医師とよく相談の上でワクチン接種を考えるようにしましょう。
また、婦人科では子宮頸がんの検査も行われていますので、定期的に検査を受けて予防を心掛けていきましょう。