子宮頸がんは女性特有のがんの中でも最も発症率が多いがんとして知られています。子宮頸がんの発症は主に「ヒトパピローマウイルス(HPV)」が原因となって起こります。
ヒトパピローマウイルスに感染することが原因で、子宮頸がんを発症してしまうのです。ウイルスに感染する経路としては性交がほとんどで、複数人との性的関係を持つことや避妊をしないことによってウイルスに感染する確率が高くなります。
しかし、ヒトパピローマウイルスに感染した全ての人が子宮頸がんを発症するわけではありません。
ヒトパピローマウイルスに感染しても、体質や遺伝によって子宮頸がんを発症しないという症例も見られていますし、ウイルス自体が自然消滅して正常な状態に戻るケースも見られています。
とは言えども、やはりウイルスの感染、そして子宮頸がんの発症の恐れは誰にも起こり得るものです。そこで婦人科では、子宮頸がんの検査が行われています。
子宮頸がんの検査は「細胞診」と呼ばれる検査になりますが、細胞からウイルスの感染や子宮頸がんの発症について診断することができます。ここからは子宮頸がんの細胞診について詳しく見ていくことにしましょう。
子宮頸がんの細胞診は各婦人科で行われています。ヒトパピローマウイルスに感染している恐れ、子宮頸がんを発症している恐れが高い場合はすぐにでも検査を受けるべきですが、子宮頸がんの初期症状は非常に小さなサインであることが特徴です。
はっきりとした症状が見られるようになった時には、既に子宮頸がんが進行していることも考えられますので、子宮頸がんの発症予防として細胞診を受けることをおすすめします。
また、細胞診を受けるにあたって様々な問診を受けますが、検査自体に痛みなどはありませんので安心して受けてください。検査時間も数分で済みますので、時間を気にしている方々も気兼ねなく受けることができます。
そして細胞診の診断結果ですが、大きく5つのクラスに分類されていることが特徴です。まず陰性である場合は、クラスⅠということで正常の状態という診断になります。
クラスⅡの場合も陰性ですが、感染症や炎症などが見られることがあるので、その症状を改善するために治療を受ける必要がある場合も見られています。
そしてクラスⅢはヒトパピローマウイルスに感染していると診断され、軽度・中等度異形成のクラスⅢa、高等度異形成のクラスⅢbに分類されます。
さらに症状が進行すると「上皮内がん」の状態であるクラスⅣと診断されます。また最終段階のクラスⅤでは「湿潤がん」の状態と診断されます。
クラスⅣとクラスⅤの場合は精密検査が必要となりますので、細胞診の結果が出されたら医師の指示に従うようにしましょう。子宮頸がんは早期発見によって治療ができる病気ですので、体から出される小さなサインを見逃さないようにしましょう。