子宮頸がんは女性が発症するがんの中でも特に多く見られる症状とされています。子宮頸がんを発症する原因としては「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスに感染後、子宮頸がんを発症するケースが最も多く見られています。
ヒトパピローマウイルスは性交によって感染することがほとんどであるため、誰でも感染する恐れがあります。
しかし、ヒトパピローマウイルスに感染した人すべてが子宮頸がんを発症するわけではありません。ウイルスに感染しても体質や遺伝などによってがん化しない場合もありますし、ウイルスが自然消滅して正常な状態に戻る場合もあります。
ヒトパピローマウイルスに感染したからといって、必ずしも子宮頸がんになるわけではなく、早期発見できれば手術などによる治療を受けることもできるのです。
とは言え、子宮頸がんも症状が進行してしまうと手術が受けられない、いわゆる「末期がん」の状態になってしまいます。放射線療法などで治療を行うこともできますが、末期の子宮頸がんの治癒率は非常に低くなります。
しかし、このような子宮頸がんを発症を防ぐために、子宮頸がんを予防するワクチンが開発されるようになりました。
日本で子宮頸がんのワクチンが接種できるようになったのはごく最近のことですが、現在は若年層を中心にワクチンの接種が行われています。
子宮頸がんが発症しやすい年齢は20代後半~40歳前後と見られていますが、現在接種できる子宮頸がんの予防ワクチンは、今後約10年先に子宮頸がんを発症させないことが目的のワクチンになります。
そのため、中学生や高校生などの若い年代を中心に予防ワクチンの接種が行われているのです。
また、年齢が若いほどワクチンの接種をした方が良いとされる理由としては、性交の経験が無い場合の方がワクチンの効果が発揮されやすいということも言われています。
子宮頸がんの予防ワクチンは10歳から接種できるようになっていますので、若い年齢のお子さんをお持ちの皆さんはお子さんにワクチンを接種させることを考えてみても良いでしょう。
しかし、現在接種できる予防ワクチンの効果は欧米よりとなっていることについてはあらかじめ注意が必要となります。
欧米と日本とでは危険性が高いとされているヒトパピローマウイルスの型が異なっているので、欧米で開発された子宮頸がんの予防ワクチンを接種しても、日本における子宮頸がん予防効果は10%程度であると言われています。
さらに子宮頸がんの予防ワクチンによって予防できるヒトパピローマウイルスは、日本における症例では自然消滅してしまう場合も多く見られているため、ワクチンの接種自体に疑問を投げ掛ける声もあるようです。
このようにワクチンの接種は子宮頸がんの予防になるとされていますが、ウイルスに感染しないよう節度ある性行動を心掛けること、定期的に検査を受けることからも子宮頸がんを予防していきましょう。