女性特有のがんの中でも特に多く見られているのが「子宮頸がん」です。腟から子宮頸部の部位である子宮外口にできるがんが子宮頸がんになります。
子宮頸がんができてしまう原因としては、ピルの服用や喫煙などもありますが、主に「ヒトパピローマウイルス」の感染によるものが考えられています。
ヒトパピローマウイルスは性行為によって感染することがほとんどで、複数人との性的関係を持つこと、避妊具を使用しない性行為などによってウイルスに感染する確率が一気に高くなります。
ヒトパピローマウイルスの感染予防をすることは子宮頸がんの予防へと繋がりますので、子宮頸がんを防ぐためにも節度を持った性行動を取るようにしましょう。
しかし万が一、子宮頸がんを発症している恐れがある場合は、すぐに婦人科で検査を受ける必要があります。
婦人科では細胞診によって子宮頸がんの検査が行われていますので、細胞診を受けることで子宮頸がんを早期発見することも可能となっています。
そしてこの細胞診による診断結果では、子宮頸がんの状態がクラス別に分類されていることが特徴です。ここからは子宮頸がんのクラス分類について見ていくことにしましょう。
子宮頸がんのクラスは5つのクラスに分類されています。まずクラスⅠは「陰性」で正常の状態という診断結果になります。今現在は子宮頸がんを発症している恐れはありませんが、念のため1年に1回は検査を受けると安心ですね。
また、クラスⅡの場合も陰性になりますが、全くの正常というわけではなく、感染症や炎症などが見られることでクラスⅡと診断されます。
ここまでは子宮頸がんの恐れはありませんが、クラスⅢになるとヒトパピローマウイルスに感染していることが診断基準とされ、状態によってaとbに分類されます。
まずクラスⅢaは軽度・中等度異形成と呼ばれる状態です。ただし、この場合はウイルスが自然消滅して正常に戻ることがほとんどであるため、経過を観察することとなります。
そしてクラスⅢbの場合は高等度異形成の状態で、がん化する恐れは考えられるものの、正常に戻る場合も見られているため、Ⅲaと同様に経過を観察することになっています。
しかし、クラスⅣになるとがんの初期段階である「上皮内がん」の状態と診断されるため、精密検査を受ける必要があります。
さらにクラスⅤでは「湿潤がん」の状態との診断になり、がんが進行している状態であるためこちらも精密検査が必要となります。
このように子宮頸がんの細胞診では5つのクラス分類にされていますが、大まかなものとなっていますので、細かい診断結果については医師の方から詳しく説明を受けるようにしましょう。
子宮頸がんは早期発見することで治療できる病気ですので、少しでも体調に変化が見られた場合はすぐに婦人科を受診して子宮頸がんの検査を受けてみることをおすすめします。