子宮全摘出手術・リンパ節の切除・放射線療法、子宮頸がんの治療方法

子宮頸がんは、子宮体がんと並んで最も多く見られている女性特有のがんです。子宮頸がんになる原因としては喫煙やピルの服用なども考えられていますが、特に多いとされている原因は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」と呼ばれるウイルスに感染することによって発症してしまうケースです。

子宮全摘出

ヒトパピローマウイルスにはセックスによって感染することがほとんどですので、ウイルスに感染しないためには複数の人とセックスをしないこと、必ず避妊をすることを心掛ける必要があります。

しかし、万が一子宮頸がんを発症してしまった場合は、どのような治療法で症状を改善していくことができるのでしょうか。ここからは子宮頸がんの治療法について見ていくことにしましょう。

まず子宮頸がんの治療は症状別のステージ(病期)によって治療法が異なることが特徴となっています。初期段階の0期ステージでは、単純子宮全摘出手術や円錐切除術などの手術によって治療されることが一般的です。

また、レーザーによる光線力学療法によっても治療することができ、0期の場合は5年生存率はほぼ100%となっています。

Ⅰ期ステージもレーザーによる光線力学療法、単純子宮全摘出手術や円錐切除などの手術で治療していきますが、準広汎子宮全摘出手術によっても治療が行われます。

しかしこれはⅠa期の場合で、Ⅰb期の場合は準広汎子宮全摘出手術や骨盤リンパ節郭清術によって治療されます。準広汎子宮全摘出手術では、子宮だけではなく卵巣、卵菅、子宮を支えている靭帯、腟の一部まで摘出することになります。また、骨盤リンパ節郭清術ではリンパ節を切除していきます。

そしてさらに症状が進行したⅡ期ステージでも、1b期と同様に準広汎子宮全摘出手術や骨盤リンパ節郭清術によって治療が行われていきます。

しかし、子宮頸がんはⅢ期ステージに入ると症状が一気に悪化していきます。Ⅲ期になるともう手術は行えませんので、放射線療法、免疫療法、化学療法によって治療していくことになります。

放射線療法では遠隔からの「外照射」と腟内からの「腟照射」によって治療が行われます。Ⅲ期ではこの放射線治療によって治療が行われることが一般的ですが、治癒力を高めていくために免疫療法や化学療法によっても治療が行われることがあります。

また、Ⅳ期ステージにおいても同じく放射線療法、免疫療法、化学療法によって治療が行われますが、子宮頸がんのⅣ期は末期がんの状態になります。

Ⅲ期の治癒率は約37%程度ですが、Ⅳ期の治癒率は約15%にまで下がると言われていますので、同じ治療法でも症状の進行によって治癒率は異なります。

子宮頸がんは早期に発見し治療することで治癒率も高くなりますから、体調に少しでも変化が見られた場合はすぐに婦人科を受診するようにしましょう。

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