前立腺肥大症の症状と予防

前立腺肥大症

前立腺肥大について

前立腺肥大症とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して、尿道を圧迫し、おもに排尿障害を起こす病気です。この前立腺肥大症は日本人の55歳以上の男性の5人に1人の割合で症状が分かっているほど非常に多い病気です。

排尿障害の症状は人によっていろいろですが、ほとんどが何かしらの排尿障害に関する症状が出ています。健康なときは特に何も考えず済ましている排尿がスムーズにいかなくなることで、普段の生活にも支障が出てきます。

前立腺肥大症を患う方にもっとも多い年齢は、やはり中高年にあたります。それは、前立腺肥大症という病気自体が高齢になるほど発症しやすくなる病気なので、このような結果になります。 海外の報告では、45歳の人は約20%、55歳の人は約40%、65歳以上となると半数以上の約60%がこの前立腺肥大症であると報告されています。

国によって多少の違いはありますが、日本でもこの傾向は当てはまり、前立腺肥大症は高齢の男性にとって非常に身近な病気になっています。ご自身に感覚や自覚症状がなくても、ある程度の年齢の方は一度検査をしてみるほうがいいかもしれませんね。

前立腺肥大症は前立腺が肥大する病気ですが、その肥大とはどのくらいの大きさなのでしょうか?一般的な成人男性の前立腺は横径3.5cm以内、前後径が2.5cm、長軸が3cm以内といわれています。これにはもちろん個人差がありますが、この前後です。よく例えられる表現が「栗ぐらいの大きさだ」ですね。

ところが前立腺肥大症にかかった場合の前立腺は、この栗程度の大きさのものが、大きくなると卵やみかんのような大きさへ肥大してしまいます。肥大の度合いが小さい前立腺は硬めで、肥大の度合いが大きい前立腺はやわらかいといわれています。

前立腺肥大の症状

前立腺肥大症にかかっても全員が自覚症状があるということでもありません。代表的な前立腺肥大症の症状は、頻尿、排尿障害、残尿感がありますが、必ずしもこれらの症状が出るとも限りませんし、このような症状が出たからと言って、前立腺肥大症とも限りません。

これは前立腺肥大症で前立腺が肥大しても、たまたま尿道を圧迫しない場合もありますし、他の理由で頻尿、残尿感が出ている場合もあるからです。

前立腺肥大症は65歳以上になると約6割の方が疑いがあると言われていますので、特に高齢の方は症状がなくても一度前立腺の診察は受けておきましょう。

前立腺肥大症で血尿

前立腺肥大症の症状に血尿が出てしまう場合があります。血尿といっても、真っ赤な血尿ではなく、検査をして血尿であるというレベルの血尿です。

血尿と言われると真っ赤な尿が出るというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、そのような血尿は尿路や膀胱が傷ついている事や腫瘍などが出来てそこから出血している事ののほうが可能性があります。

前立腺肥大症での血尿は検査をしないと分からないレベルで顕微鏡的血尿といいます。ですので普段の生活では気づくことはありませんで、定期健診や健康診断などで発見される場合が多いです。

合併症の危険

前立腺肥大症で引き起こされる病気に尿路感染症という怖い合併症があります。前立腺肥大症から起こる尿路感染症は尿路に感染する炎症の総称のことで、炎症部位で膀胱炎、尿道炎。腎盂腎炎などの病名が名付けられます。尿路感染症の治療方法は一般的に抗生物質で行われます。

排尿の働きのひとつとして、尿で尿路の細菌を追い出す働きがあります。しかし前立腺肥大症による排尿障害になってしまうと、尿の勢いがなく、細菌を追い出すことができないだけでなく、逆に尿道から細菌が進入してきて、尿路感染へと繋がってしまいます。

前立腺肥大による排尿障害

前立腺肥大症では、肥大して前立腺に囲まれている尿道が圧迫されるために、当然排尿障害も引き起こします。この排尿困難とは、一般的に以下のようなことを言います。

「排尿される尿の出が弱い」「排尿するまでに時間がかかる」「排尿の時間が長くなった」「尿が分かれる」「排尿途中で尿が途切れる」「尿漏れ」などがあります。なお、前立腺肥大症が原因で尿が出なくなってしまう「尿閉」となった場合は、かなりの重症です。

頻尿

前立腺肥大症の症状の一つとして挙げられている頻尿ですが、「頻尿」とはどのくらいのことを言うのでしょうか?一般的な成人男性の場合は一日に5~6回排尿するといわれていますが、「頻尿」といわれる場合は6回以上の排尿をいいます。

他にもトイレに行く間隔が2時間に一回以上行く場合や、寝てから夜中に目が覚めてトイレに行く回数が2回以上の方も頻尿です。このような方は前立腺肥大症の可能性が考えられます。前立腺肥大は尿道を圧迫しますので、このようなトイレの間隔などとも大きく関係しているのは間違いありません。

残尿感

残尿感は前立腺肥大症の症状として挙げられる代表的な症状の一つで、排尿後も「どうもすっきりしない」「まだ出たりない」といった尿が残っているような感じが続くことです。最初は膀胱炎と勘違いする場合もありますが、この症状が続くようだと、前立腺肥大の可能性が高くなってきます。

前立腺が肥大すると囲まれている尿道が圧迫され、膀胱排尿筋が働いて排尿しようとしても尿が出きらなくなってしまい、残尿が起きて残尿感を覚えるようになります。この残尿が150mlを超えると頻尿の症状が出てくる場合があります。

尿閉

尿閉とは尿が出なくなる状態のことを言い、前立腺の肥大で尿道を圧迫してしまうことで頻尿や残尿感が出てきますが、さらに前立腺肥大症が進行していくと尿閉の危険性が高まっていきます。

ここで前立腺肥大症の方が気をつけないといけないことは、「おしっこを我慢しない」という事です。前立腺肥大症が進行すると膀胱の収縮力も弱っていきますので、おしっこを我慢したきっかけで、膀胱の筋肉がうまく働かなくなり、閉尿のきっかけとなる可能性があるからです。前立腺肥大症の方は膀胱に強い負担を与えることは閉尿の危険性を生みますので注意が必要です。

前立腺肥大症の予防

前立腺肥大症を予防するためには、いろい前立腺肥大症の最大の原因を取り除かないといけませんが、前立腺肥大の最大の原因は加齢ですが、こればかりはどうしようもありません。

しかし前立腺肥大は誰もがかかる病気でもありません。年をとることは仕方ないことなので、他のところから予防出来る事を実践しましょう。前立腺肥大症を予防するために効果的な事を生活習慣にしていしまいましょう。

普段から気をつけることができる予防法は、オシッコを我慢しないこと、排尿を我慢すると尿閉になる事もあります。他にも体を冷やさないようにして骨盤内の血液の循環をよい状態に保つことや適度の運動も血液循環に効果的で、前立腺のうっ血も予防することができます。

飲み物に気をつける

前立腺肥大症の方にあまり飲まないほうがいい飲み物があります。その飲み物とは「お茶」で、お茶には利尿作用がありますので、ガブガブ飲みすぎると排尿回数が増えてしまいます。排尿では膀胱を刺激するため、利尿作用による排尿回数の増加は前立腺肥大症に影響を与えることになってしまいます。

その他、お茶にはカフェインが含まれており、夜の頻尿の原因にもなる可能性がありますので、寝る前はお茶を飲むことはなるべく控えるようにしましょう。

好ましい食事

前立腺肥大症の方にとって好ましい食事というのは、どのようなものでしょうか?まず動物性脂肪を多く含んだ食物は男性ホルモンを上昇させてしまいますので、前立腺肥大症の予防にとっては好ましくありません。

当たり前かも知れませんが、野菜や魚の食生活が前立腺肥大症の患者さんにとって好ましいとのことです。野菜、魚を主体とした食事でもある日本食、いわゆる「和食」が典型的ですが、これは前立腺肥大症の患者さんに限ったことではなく、高血圧といった生活習慣病の方の予防にも役立ちます。

他にも定期的に運動をすると体の新陳代謝が上がるだけでなく、血行もよくなりますので前立腺の動きも活発になります。がん予防だけでなく、健康の維持のために運動は欠かせません。

肥大症と前立腺がんの違い

前立腺肥大症は内腺(尿道を取り囲む部分:移行領域)で発生するため、尿道が圧迫され狭くなることで、尿がでにくくなったり、トイレの回数が多くなったり、残尿感などの自覚症状があらわれるのが特徴ですが、中には自覚症状がない方もいます。

一方、前立腺がんは、主に外腺(尿道から離れた部分:辺縁領域)に発生するため、早期では自覚症状はあらわれません。がんが進行し、尿道や膀胱を圧迫するようになると、排尿時の症状や血尿などがあらわれるようになります。