アレルギー性鼻炎の症状と治療法

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、ホコリ、ダニ、花粉などの吸入性抗原の吸入により、「くしゃみがたてつづけに何度も出る」、「透明で水のような鼻水が止まらない」、「鼻がつまる」などの鼻炎の症状が、アレルギー反応によって引き起こされる病気で、気管支喘息と同様、?型アレルギーと呼ばれるタイプのアレルギーが原因で発症すると考えられています。。

アレルギー性鼻炎の日本での人口比率は高く、平成10年度の全国調査によれば、日本人のほぼ5人に1人がアレルギー性鼻炎であると推定されています。

アレルギー性鼻炎は、最初は抗原物質を吸入しても無症状のことが多いのですが、吸入するたびにだんだんと体内の抗体が多くなって、あるレベルを超えたときに、その抗原物質を吸入すると発症するものです。

子どものアレルギー性鼻炎では、その20%程度に喘息の合併があり、また逆に小児喘息を専門に扱う施設においては、その60%にアレルギー性鼻炎を合併していた、という報告もなされています。

アレルギー性鼻炎のうち、症状が一年中現れるものを「通年性アレルギー性鼻炎」と言い、それに対して、ある季節だけに現れるものを「季節性アレルギー性鼻炎」と言います。

季節性アレルギー鼻炎の代表的なものとして、花粉が飛ぶ季節だけ症状が現れる花粉症があります。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜系のアレルギー疾患のことであり、主な症状としては、立て続けにでるくしゃみ、大量の鼻水、鼻づまりなどです。

これらの鼻の症状以外にも、頭痛や目のかゆみ、臭覚障害などがみられることもあり、人によって、症状の現れ方が異なり、ホコリやダニ、ハウスダスト、花粉などがアレルゲンとなる場合がほとんどです。

アレルギー性鼻炎には、決まった時期になると症状が出る「季節性アレルギー性鼻炎」、1年中を通しておこる「通年性アレルギー性鼻炎」などの種類があります。

いずれにしても、身体に進入してきた花粉やダニなどの異物に対して、身体が過剰に反応することで症状が現れることになります
「季節性アレルギー性鼻炎」の代表的なものといえば、花粉症です。花粉が飛散する時期だけ現れる症状であり、その時期がすぎると治まるのが特徴です。

鼻から吸入された花粉が鼻の粘膜に付着してアレルギー反応を起します。スギ花粉が飛散する2~4月ごろと、ブタクサ花粉が飛散する8~10月ごろに発症する人がほとんどです。

日本人の花粉症の約80%の人は、スギ花粉がアレルゲンになっているといわれています。ですから、春先が最も多くの花粉症患者が発症するそうです。

アレルギー性鼻炎と花粉症はよく区別がつかないといわれていますが、花粉症は、アレルギー性鼻炎の中に含まれるもので、花粉が原因とっなているものをさしているということになります。

一方、「通年性アレルギー性鼻炎」の場合は、季節に関係なく、1年中通してアレルギーの症状が現れるのが特徴です。季節に関係ないことから、「非季節性アレルギー性鼻炎」ともよばれています。

通年性アレルギーの原因として最も多いのがハウスダストだといわてれいます。ハウスダストは、寝具やカーペット、ジュ―タンなどの敷物、衣類などについているほこりやチリ、羽毛、また、人の髪の毛からでるフケ、ペットの毛、ダニ、かび、さまざまな細菌など、あらゆる原因が考えられます。

ハウスダストは、いろいろありますので、アレルゲンを限定するのは難しいといわれていますが、最も多いのは、室内のチリやホコリ、ダニであり、約60%を占めており、カビは5%程度だということです。

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎の原因は、鼻の中の粘膜でアレルギー反応が起きることによります。

アレルギー性鼻炎は、季節性と通年性に分けられるという話は「アレルギー性鼻炎とは」というページでも触れました。

通年性アレルギー性鼻炎の原因抗体で最も多いのはハウスダストで、ダニ、カビ、ペットの毛やアカ、人間のフケなど室内に常に存在するため、1年を通してくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状がみられます。

また、本来は季節性アレルギー鼻炎の花粉症の場合も、複数以上の花粉が重複すると1年を通して症状がみられるために、通年性になることもあります。

アレルギー性鼻炎患者の多くは、花粉とハウスダストの両方に反応します。

アレルギー性鼻炎の治療方法

一般的な治療法

アレルギー性鼻炎の一般的な治療方法のひとつとして、抗原物質を避けるという治療法があります。

具体的には以下の通りです。

1.マスク・メガネの着用(花粉症の場合)

マスクの着用はアレルギー性鼻炎には有効で、通常のものに湿ったガーゼを挟み込むだけでもかなりの効果があります。

花粉症用のマスクではかえって息苦しい感じがすることもあるようですが、通常のマスクで鼻に入る花粉数はマスクをしない場合の約3分の1になり、花粉症用のマスクではマスクを着用しない場合と比較すると約5分の1になるという報告もあります。

アレルギー性鼻炎、特に花粉症の人向けに、着用に違和感のない花粉症用のメガネも発売されています。

しかし、通常のメガネを使用するだけでもメガネを使用しない場合よりも、眼に入る花粉の量は半分以下になることが知られています。

2.衣類

アレルギー性鼻炎と分かったら、着用する衣類にも気をつけましょう。

例えば、羊毛製の衣類は花粉が付着し易く、花粉を屋内に持ち込み易いことが分かっています。

このことからも、着用する服装にも十分な注意が必要です。

3.洗顔

アレルギー性鼻炎、特に花粉症の方は、眼や鼻がかゆくて仕方がないということがありますよね。

洗顔は一見良いことのように聞こえます。

実際に、洗顔によって花粉症の症状が軽くなることがありますが、時には眼や鼻の周りについた花粉が侵入し、かえって症状が悪くなる場合もあります。

また、眼や鼻を水道水で洗うと粘膜を弱めることがあるので、注意が必要です。

症状がひどくなるようなことがあれば、早めに専門医に相談して下さい。

アレルギー性鼻炎と診断を受けたら耳鼻科医と協力し、根気よく治しましょう。

アレルギー性鼻炎の治療には、他のアレルギー疾患同様、抗原回避が非常に大切です。

ハウスダストは空気中を舞っているわけではないのでカーペットなどを変更するといったことが効果的です。

ダニを除去することも大切です。殺しただけでは意味がありません。

ダニを除去するには死体や排泄物を吸い取る掃除機が効果的です。

寝具は日光消毒をしたり、洗濯で対処します。

掃除の時は、ダニが舞い上がりやすいので、アレルギーの人は部屋を出て、掃除がすんだら換気をよくしましょう。

 薬物を使った治療法

アレルギー性鼻炎の治療に関しては、ガイドラインが作成されています。

アレルギー性鼻炎の治療にあたっては、まずは十分に症状、アレルギー反応を抑えて、徐々にステップダウンしていく方針が採られています。

1.抗アレルギー剤

アレルギー反応が起こるときに体内の細胞から化学伝達物質(ヒスタミンなど)が出ることや、出た後に生じる働きを抑えて症状が出るのを防ぎます。飲み薬と点鼻薬がありますが、効果が出るまでに2週間ぐらいかかります。

2.ステロイド薬

粘膜の炎症を抑える、抗体が作られるのを抑えるなど、多岐にわたる作用があるのが特長です。

飲み薬と点鼻薬があります。

3.抗ヒスタミン薬

ヒスタミンの働きを抑えることで症状を取り除きます。飲み薬があります。

4.抗血管収縮性点鼻薬

鼻の粘膜の血管を収縮させて鼻づまりを解消させます。

アレルギー性鼻炎の治療に使われている中心的な薬物は経口抗ヒスタミン薬です。

急性の閉塞症状がある場合には血管収縮薬を用いることもあるものの、薬剤性鼻炎の原因となるため、仕様は一週間程度までにとどめられています。

また点鼻薬の使用は基本的に鼻中隔に当てないように鼻の外側に噴射します。

特に血管収縮薬、ステロイドでは鼻中隔穿孔が報告されています。

アレルギー性結膜炎を合併した場合はザジテン点眼薬を用いる場合もあります。

アレルギー性鼻炎の治療に使われる薬には、次のようなものがあります。

1.経口抗ヒスタミン薬

鎮静作用がないといわれる第三世代抗ヒスタミン薬のアレグラや作用発現のはやいジルテックが好んで用いられます。アレグラ1日2回60mgやジルテック1日1回10mg程度で十分と言われています。

2.経口抗ロイコトリエン薬

オノンが用いられることが多いですが、喘息の合併がある場合にはシングレアやキプレスも用いられます。鼻づまりに対しては抗ヒスタミン薬よりも有効ですが、点鼻ステロイドよりは効果が落ちるといわれています。経口ロイコトリエン薬は、慢性的な鼻づまりに悩むアレルギー性鼻炎の患者で好んで用いられます。

3.点鼻抗ヒスタミン薬

眼症状がない軽症の患者や経口薬を増やしたくない時に用いられます。ザジテン点鼻薬が良く用いられます。

4.点鼻ステロイド薬

初期は定期的に処方し、症状が落ち着いたら頓用に切り替えられます。抗ヒスタミン薬と併用することで使用量を減らす場合が多いようです。

5.血管収縮薬

ナーベルという薬がよく用いられています。肥厚性鼻炎の原因となるので、1週間以上の使用は奨められません。

6.点鼻抗肥満細胞薬

作用時間が短いため就寝前、起床時、外出30分前を含め、1日6回投与されます。インタールスプレーがよく用いられています。小児では扱える抗ヒスタミン薬が少ないためよく用いられる傾向があります。

減感作療法とは

アレルギー性鼻炎の症状が薬で改善しない場合、「減感作療法(げんかんさりょうほう)」が行われます。

減感作療法は、アレルギーの原因物質を少しずつ長期間かけて注射して、アレルギー反応を低下させる治療法で、低濃度・少量から始めて、徐々に濃度と量を増やしていきます

減感作療法は、治療用のアレルゲンエキスを非常に薄い濃度で皮内に少量(0.02ml~)から注射し始め、慎重に投与量を0.5mlまで増やしていき、1回に投与するアレルゲンエキス量が0.5mlに達すると、アレルゲンの濃度をさらに10倍にし、同様に投与量を徐々に増やしていくというように、治療が行われます。

減感作療法による治療では、治療開始から半年以上かけて自覚症状が改善し、抗アレルギー薬などの薬を減量あるいは中止できるようになります。

減感作療法は、アレルギー性鼻炎の基本的治療法の一つとして、国際的にも認められたものです。

減感作療法は、20年以上前まではアレルギー性鼻炎治療でも最もよく行われていた治療法でした。

アレルギー性鼻炎の治療法として、抗アレルギー内服薬や、点鼻薬が開発されたことによって、減感作療法があまり用いられなくなった時期もあります。

しかし、近年では、抗アレルギー薬治療の役割が明確になるとともに、アレルギー性鼻炎の研究が進んだ結果、減感作療法の利点が再び見直されるようになってきました。

減感作療法は、ゆっくり、根気よく行う治療方法といえます。

アレルギーの原因となっている抗原(アレルゲン)のエキスを繰り返し皮下注射して行います。代表的な抗原はスギやハウスダスト、ネコ、イヌ、ハチなどです。

減感作療法で、いきなり高用量のアレルゲンエキスを投与した場合、猛烈なアレルギー反応が誘発され、喘息発作などの副作用を起こすことも考えられます。

減感作療法で大切なのは、副作用が起きないように注意しながら注射を繰り返し、治療効果が現れる濃度まで抗原量を増やしていくことです。

従って、減感作療法でアレルゲンエキスを投与するにあたっては、熟練した医師の決定に従うようにしましょう。

ハウスダストで10倍希釈溶液×0.5ml、スギで2000JAU×0.3ml程度を、安全に投与できるように治療計画を立てます。

前述の投与量はあくまでも目標値であり、各自の病態により投与量は治療計画の目標に達さないこともしばしばあります。

減感作療法は、スギ花粉症では、70~80%の有効性が認められています。

減感作療法は時間と手間のかかる治療法ですが、アレルギー性鼻炎の根治を望む人には、現時点では最善の治療法のひとつと考えられています。

レーザー治療

アレルギー性鼻炎(花粉症も含む)は最近では国内人口の10%から30%にものぼるといわれています。

アレルギー性鼻炎の治療は、体質による病気のために治療期間も長くなりがちで、途中で治療をやめてしまう方も多いそうです。

アレルギー性鼻炎の治療は内服や点鼻薬の使用によるものが多いのが現状です。

アレルギー性鼻炎の治療に効果的な減感作療法という治療方法もありますが、長期間にわたる通院が必要な上、減感作療法を行っているクリニックの数も限られています。

レーザー治療はほとんど痛みや出血もない上に短時間で治療できることから近年普及してきています。

アレルギー性鼻炎は体質的な疾患なので、長期にわたる治療が必要になりますが、「仕事や学校の都合で通院できない」、「手っ取り早く症状をなくしたい」という方にはレーザー治療が向いています。

アレルギー性鼻炎の治療で最近広く用いられているレーザー手術は、通常日帰り手術で行われます。

レーザー治療の施術可能な年齢は一般的には10歳前後からと言われています。

レーザー治療の施術では、鼻づまり・鼻水・くしゃみの改善が主な目的ですが、特に、鼻づまりを改善する効果が高いようです。

アレルギー性鼻炎患者にとっては、薬剤量の減少、副作用の回避、通院回数の減少など、医療経済的な負担も減るというメリットがあります。

漢方を使った治療

アレルギー性鼻炎の治療にあたって、最近漢方薬を使った治療を受ける人が増えています。

漢方薬は女性の妊娠・授乳期にも比較的安全といわれ、症状を抑える即効性の薬のほかにも、長く服用することで体質を変えて根治をねらう種類の漢方薬もあります。

漢方薬を使ったアレルギー性鼻炎の治療方法のメリットとしては、

1. 病院や一般薬局で売られているような、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン薬、鼻炎薬などの副作用でみられる眠気、けだるさ、口渇はほとんどないため、日常生活への影響が軽微である。
2. 病院に通う際の費用、時間等をかけずに花粉症などアレルギー性鼻炎への対策が可能なこと。
3. 蓄膿症/副鼻腔炎など、アレルギー性鼻炎の症状として起きる鼻づまりなども手軽に対策・予防・改善ができる。
4. 煎じ薬などでなく、錠剤やカプセル剤でいつでも手軽に花粉症などアレルギー性鼻炎対策ができる。
5. 即効性を期待でき、花粉症の時期や、症状の出やすい朝や、症状がでた時に服用すればよい。
6. 服用時間を気にしなくとも、眠る前に服用するだけで朝までぐっすり眠れる。

と、このように書くと花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎の治療にあたって、漢方治療には良いことばかりのように聞こえますが、現代医学的にアレルギー性鼻炎への効果が確かめられたものは小青竜湯だけです。

また、多く誤解されているのが、漢方薬なら副作用がないということで、実際は漢方薬にも副作用はあり、特に小青竜湯や葛根湯に含有されるマオウは、体質または服用量により動悸や血圧上昇などが起こりやすいと言われています。

漢方薬も病院で処方を受ければ保険が利きますが、一般の病院では漢方の専門知識をもった医師はめったにいないので、和漢診療科など、漢方の知識を持った医師のいる病院を探すようにしましょう。

アレルギー性鼻炎の食生活の改善

アレルギー性鼻炎の方は、食生活に偏りがあるといわれ、アレルギー性鼻炎の方の食事には次のような特徴があります。

1.油物が多い。 (カレー・グラタン・てんぷら・から揚げ)
2.外食が多い
3.洋食・(イタリアンなども含む)が多い。
4.パンが中心の食事である。
5.甘いものが大好きである
6.卵類を沢山食べている、又は大好きである。
7.卵は一日1個から2個以上食べる。
8.おもちやせんべいを沢山食べている。
9.野菜を毎食、赤白緑と食べていない。
10.バランスが悪い。
11.たんぱく質を食べていない。
12.おかずが多く、高たんぱく過ぎる食事をしている

アレルギー性鼻炎の症状を抑えるためには、食生活の改善が大切と言われています。

清涼飲料水やアルコール、タンパク質や脂肪の摂り過ぎは控えて、毎日のメニューにビタミンやミネラルをたっぷり含む野菜などを取り入れ、バランスのよい食事を摂る習慣をつけましょう。

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