性病と性感染症(STD)の種類と予防

性病

性交渉によって人に感染する病気を総称して、性感染症とよんでいます。最近若年層を中心に、この「性感染症」という病気が広がっています。

性感染症の主な病気としては、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、梅毒、尖形コンジロームなどがあります。

性感染症の多くは自覚症状が少なく怖い病気ですが、感染しないようにするための予防は可能です。最も効果的な予防方法と言われているのは、コンドームの着用です。

もし性感染症に感染した場合、放っておくと特に女性の場合は不妊症などになってしまう危険性がありますので、自己判断は危険です。

パートナーと幸せな生活を送るためにも、性感染症についてよく知っておくことが大切です。

性病・性感染症とは

おもに性交を介して感染する病気の総称であり、昔は花柳病ともよばれていました。本来性病は、1945年に制定された性病予防法に規定されていた性行為感染症 (STD) のうち特に古典的な4つの疾患を指します。

梅毒、軟性下疳(げかん)、淋疾(りんしつ)および第四性病(鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(にくがしゅ)症)の4疾患がそうなのですが、最近では少しずつその意味合いも変わってきて性交渉によって感染する病気の総称としてとらえられる事がおおいようです。
そして、1999年に感染症新法が施行されて性病予防法が廃止されたときに、細菌による感染の4つの性病とウイルスによる感染の他の病気をまとめて性感染症と総称されるようになりました。

感染経路

主に性的接触もしくは血液感染で感染します。また母子感染や、公共浴場などで感染する場合もあるようです。

性病・性感染症の種類

クラミジア

クラミジアとは

クラミジアは細菌とウィルスの中間に分類されている微生物で、性行為によって泌尿生殖器に感染し、性器クラミジア感染症となります。
近年感染報告がすべての性病の中で最も多いと言われており、最近では10代の女性の感染率の高さが問題となりました。また、咽頭(のど)に同時感染する症例が多いのも特徴です。

感染の原因

クラミジアが尿路や性器に感染することで起こります。
感染経路

性的接触により血液・精液・膣分泌液を介して咽頭、尿道(男性のみ)、膣内(女性のみ)などに感染。
母親が子宮頸管にクラミジア感染していると、分娩時にその部分を通ってくる胎児に感染。

クラミジアの症状

感染後は、膿が出たり痛みがある場合があるが男女関係なく無症状で進行することが多いです。
男性の場合
尿道に軽い炎症を起こし、排尿時に尿がわずかにしみたり濃い分泌液が少し出る程度のことが多いが、 そのまま放置すると前立腺炎・副睾丸炎・肝炎・腎炎などになる場合があります。

女性の場合
感染機会後約2週間程度で発症し、症状が出てもわずかにおりものがあったり不正出血や下腹部痛が出る程度ですが、 尿道にも感染が広がり、膀胱炎症状が出ることもあります。 また、治療せずに放置していると骨盤腹膜炎になったり肝周囲炎や卵巣炎を引き起こし、不妊などの原因となる場合もあります。

淋病

淋病とは

淋病は淋菌という細菌の感染によって引き起こされる感染症で、クラミジア同様近年増加傾向にある性病です。
淋菌は乾燥、高温、などに弱く、ヒトの体外ではあまり生きられないのですが、クラミジア感染症と並んで、1回の性行為で感染する確立の高い性病です。

感染の原因

性行為などによって淋菌が直接感染することによって起こります。
感染経路

性交によって主として粘膜で感染しますが、オーラルセックスによって咽頭でも感染。
母親の子宮頸管の淋菌感染が胎児に感染すると、新生児結膜炎が発症。
ごく稀に大衆浴場や、タオルを介しての感染も確認。

淋病の症状

咽頭炎、淋菌性尿道炎(男性のみ)、子宮頚管炎(女性のみ)などを起こしますが、女性は自覚症状に乏しい場合があります。

男性の場合
尿道炎、尿道のかゆみや熱感、排尿時や勃起時などに激しい痛みなどの症状があり、尿道炎や 精巣上体炎などになります。 また、尿道から黄色くてドロドロしている膿がでることがあります。

女性の場合
おりもの異常が主な症状で、粘液性または膿性の分泌液が見られますが、数週間から数カ月も自覚症状がないことが多いです。しかし、放置していると子宮頸管炎が子宮内、さらには卵管内、腹腔内にまで波及することがあり、ひどい場合は不妊症や子宮外妊娠の原因になる可能性があるので注意が必要です。

新生児の場合
淋菌性結膜炎になり両眼が侵されることが多く、結膜充血、浮腫、眼瞼腫脹が起きます。また、重症化すると失明の危険などがあります。

カンジダ

カンジダとは

カンジダ症はカンジダという真菌(カビ)が感染して起こされる性病で、特に女性に多くその際はカンジダ膣炎と言われます。
カンジダは、もともと性器周辺やその他の体表に存在している菌なのですが、性行為や体調を崩した時に性器の粘膜が傷んだり、抵抗力が低下すると、カンジダが増殖し感染を起こすことがあります。

感染の原因
体調を崩した時や性行為によって感染します。
感染経路

性行為を通じて感染しているパートナーから感染。
抗生物質の服用によって体を守っている菌が死滅すると、体内の菌バランスが崩れカンジダが増殖し感染。
体調不良、過労、ストレスにより免疫力が低下し、菌が増殖し感染。
月経前や妊娠中などにピルを服用することによってホルモンバランスの変化により膣粘液の自浄能力が低下し感染。
湿気が多く適度に温かい場所は菌の繁殖を促すので、多汗やオムツの使用などによる陰部の蒸れにより感染。

カンジダの症状
性器周りの炎症や強い痒みが出たりしますが、男性は症状が出づらいようです。
男性の場合
亀頭のかゆみや亀頭包皮炎を起こし、膿を持った発疹ができたり亀頭などの外陰部が真っ赤に炎症します。

女性の場合
外陰部かゆみとおりものがあらわれ、膣入り口周辺部に強痒みや、激しい熱っぽさを伴うこともあります。 また、ヨーグルト状の白色または、黄白色のおりものが増加します。

梅毒

梅毒とは

梅毒トレポネーマという細菌が感染したことによって起こる性病で、古くは大航海時代にコロンブスがヨーロッパに持ち帰り世界に蔓延したと言われています。
TBSドラマのJINでもやっていましたが、ペニシリンの登場によって現在では減少傾向にあります。しかし、治療せずにいると大変な状態になりますので、早期発見と早期治療が必要です。

感染の原因
性行為によって粘膜などから細菌が侵入する場合と、感染している母親からの母子感染などがあります。
感染経路

性行為・オーラルセックスなどによって粘膜などから細菌が侵入し感染。
輸血血液による感染や感染者の血液が傷口や粘膜などに触れた場合に感染。
現在ではほとんどありませんが、感染した母親の妊娠・出産時・授乳によって子供に先天梅毒として感染。

梅毒の症状
梅毒の症状は全4期に分かれていて、感染後数週間で感染した部分にしこりが出来たりします。現代では、医学の発達により、第3期、第4期に進行することは少なくなりました。
第一期
第1期は感染後3か月までを言い、約3週間くらいで性器や肛門などの感染した部分に小豆大のシコリ(硬性下疳)が出来ます。また、無痛性横痃というリンパ節の腫れができますが、4~6週間で自然に軽快します。

第二期
感染後3ヶ月の状態で、全身のリンパ節が腫れたり、発熱、倦怠感、関節痛などを起こします。 この時期は多彩な発疹が特徴で、バラ疹と呼ばれる全身性発疹や脱毛症などが見られます。 放っておくと症状が消え、しばらく潜伏期となります。

潜伏期
潜伏期に入ると、感染していても症状が出ないので治ったと思ってしまいますが、感染は続いた状態です。

第三期
感染後310年の状態でゴムのような腫瘍(ゴム腫)が皮膚や内臓に発生したり、結節性梅毒や粘膜疹が現れます。現在では見ることは稀です。

第四期
感染して10年以降の状態で、中枢神経が侵され麻痺性痴呆、脊髄瘻などを起こします。現在は稀です。

HIV・エイズ

HIV・エイズとは

HIVとは「ヒト免疫不全ウィルス=エイズウィルス」のことで、エイズ(AIDS)とは正式には「後天性免疫不全症候群」といいHIVに感染したことにより厚生労働省の定める23の合併症を発症した場合に診断されます。よく両者は混合されがちですがHIVはウイルスの名前で、エイズは病気の名前です。
HIVは免疫細胞に感染するので、免疫機能であるリンパ球を次々に破壊し、その結果免疫不全に陥り、様々な感染症や症状を引き起こします。また、以前は社会的な偏見が持たれることがありましたが、現在は異性間性行為による感染や出産時の母子感染も起こり得ることが知られるようになり、広く一般的な問題として受け止められています。

感染の原因
HIVに感染した人の血液、精液、膣分泌液、母乳などが粘膜や傷口と接触する事によって感染する可能性があります。
感染経路

性行為により粘膜、傷口を介して感染。
注射針の回し打ちや針刺し事故、輸血などによって感染。
感染した母親の妊娠・出産時・授乳に胎内や産道母乳を介して感染。(母子感染率を軽減させる方法がありますので医師に相談することが大切です。)

症状について
HIVに感染すると、急性期、無症候期、発症期の経過をたどります。

急性感染期
感染後週間の状態で、全身倦怠、発熱などインフルエンザの様な症状が出たり、リンパ節腫脹が見られる場合がありますが、全くの無症状の人もいます。

無症候期
感染後約5年~10年くらいの状態で、多くの人は急性感染期を過ぎて症状が軽快し無症状で過ごします。しかし体内ではHIVが盛んに増殖を繰り返し免疫担当細胞との戦いが繰り広げられており、免疫力が徐々に低下していきます。無症候期にある感染者は無症候性キャリア(AC)とも呼ばれます。
※無症候期には個人差があります。

発病期
免疫力がさらに低下し始め、下痢や極度の倦怠感、体重減少などが現れエイズの発症となります。 その後、免疫力のさらなる低下とともに多くの日和見感染を生じ、ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)やカポジ肉腫、悪性リンパ腫、サイトメガロウイルスなどを起こし、生命に危険が及ぶ症状を呈してきます。 また、脳炎を起こして認識・言語障害。精神障害や認知症を起こすこともあります。
最近は医療技術の進歩でエイズ死亡率は下がってきましたが、最終的に死に至る可能性の高い病気であると言えます。

トリコモナス

トリコモナスとは

トリコモナス原虫の感染により起こるもので、原虫が性器内に入り込み炎症を起こしたものを膣トリコモナスといいます。人では主にこれを指しますが、膣ではなく大腸で起こる場合もあります。
また、腟トリコモナス症は頻度の高い感染症で、成熟した女性の膣を好んで寄生するとも言われています。

感染の原因
性行為によって感染する場合と、性行為以外からも感染する場合があります。性行為の経験のない女性や幼児に感染が見られた場合、後者の可能性が高いです。
感染経路

性行為によって粘膜から感染。通常男性は、感染した女性からのみ感染
下着やタオル、便座などから感染。また共同浴場などの浴槽でも感染する場合があります

トリコモナスの症状
基本的には尿生殖路の感染症であり、最も多い感染部位は女性の尿道および膣です。男性の場合は排尿によって原虫が排除されてしまうことも多いです。

男性の場合
男性の場合はたいてい無症状だったり排尿により洗い流される可能性がありますが、放置して尿道炎や前立腺炎を起こした場合、かゆみを感じたり、排尿時などに軽い痛みを感じたりする場合があります。

女性の場合
女性の場合は膣炎・子宮頸管炎・尿道炎といった症状を呈し、泡状の悪臭の伴うおりものや性交・排尿時の不快感、女性器のかゆみ・痛みなどが出る場合があります。また、治療せずに放置していると不妊症や早産、流産をまねく可能性もあります

B型肝炎

B型肝炎とは

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
B型肝炎には、急性B型肝炎と、慢性B型肝炎があり、急性B型肝炎は、成人が初めてB型肝炎ウイルスに感染して発病したもので、慢性肝炎は、B型肝炎ウイルスに持続感染している人(HBVキャリア)が発病したものです。
日本では、昭和63年頃まで行われた幼児期の集団予防接種における注射針の使い回しにより、HBVウイルスが蔓延しました。

感染の原因
感染の原因は主に輸血・臓器移植・注射器による針刺し事故・性交渉・母子感染があります。

性的接触
主に血液・精液・膣分泌液によって感染します。 感染者との無防備なセックスは感染の可能性があります。

血液感染
感染者の血液が傷口や粘膜に触れたり、体内に入ると感染の可能性があります。日本では、昭和63年頃まで幼児期の集団予防接種で、注射針・注射筒が使い回されており、そのためHBVによる慢性肝炎患者が増大した事があります。

母子感染
感染した母親の妊娠・出産時・授乳によって子供に感染することがあります。

B型肝炎の症状
急性肝炎
全身の倦怠(けんたい)感に引き続き食欲不振・悪心(おしん)・嘔吐(おうと)などの症状が現われ、これに引き続いて黄疸(おうだん)が出現することがあります。また、他覚症状として肝臓の腫大がみられることもあります。

慢性肝炎
自覚症状は少なく、全身倦怠感、食欲不振、易疲労感などを認めることがある程度である。

C型肝炎

C型肝炎とは

C型肝炎は、C型肝炎ウイルス (HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。C型肝炎ウイルスに感染すると、約70%の人がC型肝炎ウイルスの持続感染者(C型肝炎ウイルスキャリア)となり、放置すると本人が気づかないうちに、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進展する場合があります。

感染の原因
感染の原因は針刺し事故や覚醒剤注射の回し打ちなどが主ですが、臓器移植によるものや、性行為、母子感染などで起こる場合もあります。

性的接触
稀ですが、性行為によって感染する場合があります。

血液感染
C型肝炎ウイルスは、主として血液により感染します。輸血や臓器の提供、針刺し事故などにより、感染者の血液が傷口や粘膜に触れたり、体内に入ると感染の可能性があります。かつては輸血による感染が多かったですが、先進国では検査体制が確立したためほとんど見られなくなりました。

母子感染
稀ですが、感染した母親の妊娠・出産時・授乳によって子供に感染することがあります。

C型肝炎の症状
急性肝炎
自覚症状は比較的乏しいですが、発症初期に発熱や全身倦怠感、その後食欲不振や悪心・嘔吐が出現するします。黄疸となる可能性もあります。

慢性肝炎
自覚症状は少なく、全身倦怠感、食欲不振、易疲労感などを認めることがある程度である

フォアダイス

フォアダイスとは

フォアダイスは性病ではないのですが、よく勘違いして悩む方がいるので書いておきます。
フォアダイスは口唇や陰茎などに発生する生理的現象の一つで、毛根の周囲にあるはずの脂腺が毛の無い部分にも独立で存在し、表面から脂肪の黄色い粒が透けて見える状態のことです。
フォアダイスは成人男性の65%に見られる生理的な現象で、特に病気ではないですし、感染する事もないので放置しても問題はありません。

性病・性感染症の予防

性病の最大の予防はコンドームを使用する事なのですが、現状はコンドームを使用していても100%性病を回避する事は不可能と言われています。

しかし、1人1人がしっかりとした対策をすることで、その確立を限りなく100%に近づける事は出来ます。
そこで重要なのが

・正しくコンドームをつける
・女性が生理の場合はセックスをしない
・不特定多数とのセックスをしない
・性病に関して知識をつける
・衛生的に整ってないときはセックスをしない

などがあげられると思います。
自分だけでなく、相手のためにも1人1人が性病に関して意識を高め、正しい知識を持つことが必要だと思います。